看取りケア～医療者向けこころの相談室の想い
はじめまして。浅原聡子です。
グリーフカウンセリングのページへよくいらして下さいました。
私は看護師として、20数年過ごしてきました。
その時間の中で。。看護という仕事をする中で、
医療の現場はいのちを救う場でもあり。。
いのちをなくす場でもあることを実感していきました。
その人に、
御家族に、
そのひとの人生に、
いのちに向き合うってどんなことだろう。
ずっとそうこころの奥で渦巻いていました。
知識も増えて、業務もこなせるようになって、
仕事で困ることは少なくなっていっても。。
死はつらく、悲しいものであることには変わりはありませんでした。
大切な人をなくすという人生最大の喪失に向き合うことが、
どんなにつらいかを目の当たりにしたとき
そこに一緒に向き合うとは、いのちを見つめるとはどんなことだろう。。
そう考えてきました。
人を看取るということ、その場に立ち会うということは、
職業や役割だけで背負いきれない何かがありました。
自分はこのままでいいのか、もっといいケアがあるのだろうか。
私などが、この御家族の大切な場面にいる資格はあるのだろうか。
次第にそんな気持ちが大きくなっていきました。
そんな中、グリーフケアというものを知りました。
1990年後半のことです。
海外の先進国の医療には、
グリーフケアという大切な人をなくした方へのサポートがあることを知りました。
そのケアは看取りの場から、継続していくのだと感じました。
大切な人をなくした人が苦しい道のりを歩むことや、
社会ではサポートがないことが苦しかった。
単に私が未熟で苦しくなったのかもしれません。
それでも大切な人をなくしたとき、
悲しみの深さは変わらずとも支えに成り得る光に繋がるケアがある。
看取りの時間から、
それ以前から先に生き抜いていく人が紡ぐ時間を
その先に繋いでいけるることを知りたかった。
2013年にグリーフカウンセリングivy開業
今は、グリーフを抱えた人が私の前に現れる。
ただ、大切な人をなくしたとき誰もがグリーフは抱える。
人間の当然の反応だから。
いろいろな方が様々な想いをもち、それぞれが自分の人生を生きている。
生きる中で、深い悲しみや苦しみを背負ってしまうことがある。
その想いを分かち合い、支え合うことができたら
必要以上の苦しみを抱えずに生きていけると思った。
一緒の想いを持つ人を増やしていきたい。
そうして、想いや時間を紡いでいったら可能になるのではないでしょうか。
お互いが支え合える社会に。
先に生き抜いたあの人の笑顔を穏やかに思い出せる時間に。
いのちや看取りの現場にたつ方へ
病気になったときから、告知を受けたときから、
人生の最期の時間の前から、人はグリーフを抱えます。
その予期悲嘆を感じたときから、
大切な人と語ることができたら苦しみは減るのかもしれないなどと思うことがあります。
看取りの時間からをグリーフケアに繋げることができたらと。
人の最期に立ち会うとき、いろいろな想いが湧き上がることと思います。
「自分の対応はあれでよかっただろうか」という不安
「あのとき、もっと出来たことはないだろうか」というジレンマ
「毎日業務に追われていて、これでいいのか」という焦り
「私は看護師を続ける資格があるだろうか」という落ち込み
「人の苦しみ、看取りに寄り添いたい」という願い
「いのちや死に向き合うってなんだろう」という課題
これらの想いの中に何があるのか、自分の悩みや課題を明確にして
医療、看護や介護の質を上げていくことができたら。。
その方の最期の瞬間は、穏やかな時間になることでしょう。
ご家族の残りの時間も、その方への想いを紡げるものになっていきます。
この時間を作っていくために必要なのは、
現場にいる方達の想いとケアのちからです。
そんな時間を紡げるよう、そんなケアを同じ想いを持った仲間を探したい。
ひとりで悩むのではなく、一緒に考えて共有し。。
その先にあるケアを見つけていく。
それを継続していくには、
ケアする人の自分を支えるこころのケアと
自信に繋げるための知識や情報が必要です。
自分らしいケアを実践する、いのちを見つめていく人になる。
そんなことを分かり合える仲間と場を繋げていきたいと考えています。
そして、誰もが先に生き抜いた大切な人を誇りに想い、
グリーフを胸に抱いてまた自分らしい人生を生きていく。
そう生きられる社会に繋げていきたい。
2015年秋
看取りケア～医療従事者のためのこころの相談室を始めます。
